「英語話したい」と思った日から変わった私｜話せない状態から英語でスピーチできるまでのリアル記録

英語を話したいと思ったのはなぜ？TOEIC600点からの挑戦

正直に言うと、最初は「英語を話したい」というより、「話さざるを得なかった」というのが本音でした。TOEIC600点。多少読めても、話す・書くはまるでダメ。そんな状態で、英語公用語の会社に飛び込んだのです。最初の数ヶ月は毎日が緊張の連続でした。会議で沈黙したり、笑いのタイミングが分からなかったり、スラックの英語メッセージを前に固まったり——。

でも、不思議と逃げようとは思いませんでした。英語ができる同僚たちは、私の拙い英語を笑うことなく、根気強く待ってくれたからです。わからないときは「Can you say that again?」と聞き返し、言葉に詰まっても笑ってフォローしてくれる。そんな環境が、「失敗しても大丈夫」という安心感をくれました。

英語を話すことは、スキルよりもまず“勇気”の問題だと思います。間違えても話す。伝わらなくても笑う。そしてまた挑戦する。私はその繰り返しの中で、少しずつ“英語で話せる自分”を作っていきました。

英語が話せるようになるきっかけは、特別な勉強法ではなく、毎日の小さな会話の積み重ね。あなたが今「話したいけど怖い」と感じているなら、大丈夫です。完璧な文法よりも、まず一言の“Hello”から始めてみてください。そこからすべてが変わります。

友達との出会いがくれた“英語を話す勇気”

私が最初に英語で話しかけたのは、たまたま面接に来ていたインドネシア人の同僚候補、Adamでした。「彼が入社するなら、早いうちに声をかけた方がいい」と思い、思い切って “Hello, my name is Takuya…” と話しかけた瞬間、15秒ほどの沈黙が流れました。体感では2分くらい。けれど、その一言がすべての始まりでした。

その後、彼と一緒にランチへ行くようになり、自然とLanguage exchangeが始まりました。私は日本語を、彼は英語を教える。トンカツ屋のメニューに書かれた「毎週月曜は定休日ですのでご了承ください」をどう訳すか、ふたりで悩んだのは今でも笑える思い出です。そうやって「正しい英語を話すこと」よりも、「伝えようとすること」が一番大事なんだと気づきました。

英語を学ぶ仲間ができると、不思議と怖さが薄れます。みんな第二言語として英語を学んでいる。完璧じゃなくても、通じ合える。その安心感があったから、私はどんどん話しかけるようになりました。
“What’s up?” と言われて聞き取れず “Sorry?” と返したら、相手が流暢な日本語で “元気ですか？” と返してきて、笑い合ったこともあります。そんな瞬間が、英語の勉強を「怖いもの」から「楽しいもの」に変えてくれました。

もしあなたが今、「英語を話したいけど勇気が出ない」と感じているなら、まずは小さな会話から始めてみてください。文法がめちゃくちゃでも、発音が日本なまりでも大丈夫。相手はきっと、あなたの「伝えよう」という気持ちを受け取ってくれます。英語を話せるようになる第一歩は、完璧な文法より“誰かと繋がりたい”という気持ちなんです。

知っている言葉で話すトレーニングの効果

英語公用語の環境に慣れてきた頃、会社で英語コーチングプログラムが始まりました。週1回30分、コーチと話しながら学習計画を立て、進捗を振り返るというものです。当時の私は「言いたいことがあるのに、英語で表現できない」という壁にぶつかっていました。頭の中では日本語の文章が浮かぶのに、それを英語に直す単語やフレーズが出てこないのです。

ある日、セッション中にまた言葉に詰まったとき、コーチが言いました。
“Try it.”
つまり、「とにかく言ってみて」ということ。私は一瞬、無理だと思いました。でも、知っている単語だけで話してみたんです。すると、驚くほど伝わりました。文法も発音も完璧じゃないのに、相手が理解してくれる。伝わることの嬉しさを、初めて実感した瞬間でした。

例えば「ハリネズミ」という単語を知らなくても、“It’s a small animal, like a mouse, but with a lot of needles.” と説明すれば相手が “Hedgehog?” と返してくれる。まさに英英辞典のように、自分の言葉で説明する力が身につくのです。
こうして「知っている単語で言い換える」練習を繰り返すうちに、英語のボキャブラリーが自然と増えていきました。覚えた単語を“使う”ことで定着し、自分の中で英語が少しずつ生きた言葉になっていったのです。

あの日コーチがくれた “Try it.” の一言は、今でも私の英会話の原点です。英語を話せるようになりたいなら、まずは“知っている言葉で伝える”ことから始めてみてください。
完璧じゃなくていい。伝えようとする姿勢こそ、あなたの英語を一番成長させてくれる力になります。

アクセントを気にしないことで変わった世界

ある日、私は英語で45分間のスピーチを任されました。社外イベント「OnlineTestConf」での登壇です。英語での発表は初めてで、正直プレッシャーしかありませんでした。何度も練習したけれど、LとRはどうしても混ざるし、イントネーションも不自然。発音が気になって仕方がありませんでした。

当日の直前、イベントのホストであるJoelからメッセージが届きました。
「もうすぐ本番だけど、大丈夫？」
私は思わず正直に返しました。
「大丈夫だけど、アクセントがあるから伝わるか心配だ。」
すると彼は笑ってこう言ったんです。
「みんなアクセントがあるよ。今話してるシンガポールの人も独特な発音だけど、誰も気にしてない。あなたの日本なまりも、その一つさ。」

その瞬間、肩の力がすっと抜けました。
“Perfect pronunciation” は目的じゃない。大事なのは「相手に伝わるかどうか」。
それに気づいてから、私は英語を話すときに自分の声をもっと好きになりました。
日本なまりの英語も、私のアイデンティティの一部。むしろ、どこで生まれ、どんな背景を持つ人間かを伝える“個性”なんだと思うようになりました。

日本では「発音が悪いと恥ずかしい」「英語っぽく話すと気取ってる」と思われがちです。でも、世界に出てみればそんなことを気にしている人はいません。大切なのは、自分のアクセントを受け入れ、堂々と話すこと。それが本当の意味での「英語を話す自信」につながるのだと実感しました。

もしあなたが発音に悩んでいるなら、どうか忘れないでください。
英語は“正しく”より“伝わる”が大事。
あなたの声とアクセントで話す英語こそが、あなただけの英語なんです。

グローバルな環境で学んだコミュニケーションの本質

英語を公用語とする職場で5年働いてみて、私が強く感じたのは「英語＝一つの言語」ではなく、「英語＝多様なコミュニケーション手段」だということです。
同じ英語でも、国や文化によって言い回しやトーンが全然違う。インド英語、シンガポール英語、フィリピン英語、そして私の日本英語。どれも少しずつアクセントが違うのに、ちゃんと意思疎通ができる。それは、みんなが“相手を理解しよう”という姿勢を持っているからです。

ある時、アメリカ人の同僚に「日本人の英語って丁寧で好き」と言われたことがありました。
私たちは無意識に “Could you〜?” “Would you mind〜?” といった表現を多く使う。
それが逆に「柔らかい印象で伝わる」と言われたのです。
つまり、完璧なネイティブ英語を目指す必要なんてなかった。
「自分らしい英語」を使えばいいんだと、心から思いました。

また、英語を話す上で大切なのは“話す力”だけではありません。
相手の言葉を丁寧に聞く力、理解しようとする姿勢こそが、コミュニケーションを成立させます。
英語が少し聞き取れなくても、「こういうこと？」と確認したり、相手の意図を読み取ろうとする姿勢を見せるだけで、会話は驚くほどスムーズになります。
私も、会話中に “So you mean〜?” と聞き返すことを習慣にしてから、英語でのやり取りがぐっと楽になりました。

英語ができる＝話せるではなく、
英語が使える＝相手とつながれること。
この違いに気づいてから、私は英語を“勉強”としてではなく、“生きたコミュニケーション”として楽しめるようになりました。
世界中の人と英語で会話してみると、言葉以上に大切なのは「伝えようとする気持ち」と「相手を尊重する心」だと分かります。
英語は、あなたの世界を広げるためのツール。
そしてその本質は、思いやりと共感にあります。

英語を話せるようになる人の共通点

5年間、英語を使い続けてきて気づいたのは、「英語が話せるようになる人」にはいくつかの共通点があるということです。
それは、語彙力の多さでも、発音の正確さでもありません。
一番の共通点は——話す量が圧倒的に多いということ。
結局、英会話は筋トレと同じで、頭で覚えるより“口で慣れる”ことが重要なんです。

私も最初の頃は、1文話すだけで心臓がバクバクしていました。
でも、毎日少しずつ英語で会話を重ねるうちに、言葉が自然と出てくるようになりました。
大切なのは「完璧を求めないこと」。
“あ、文法間違えたかも”と思っても、そのまま話し続ける。
すると、相手が自然に言い直してくれたり、会話の流れで正しい表現を学べたりします。
会話の中で得た英語は、机の上で覚えた単語より何倍も記憶に残ります。

もう一つの共通点は、「間違いを恐れないマインド」です。
英語が上達しない人の多くは、“話さない時間”が長すぎる。
「正しい文法で言わなきゃ」と考えて口が止まるより、多少間違ってもいいから発言する人の方が、圧倒的に伸びが早いんです。
実際、社内でも上達の早いメンバーは、ミーティングでどんどん英語を使っていました。
彼らに共通していたのは、「通じたらOK」というシンプルなスタンス。
そのくらい肩の力を抜いた方が、英語は上達します。

最後に、もう一つ大切なこと。
“楽しんで話す”人は、英語が本当に伸びます。
笑いながら話すと、相手もリラックスしてくれる。
緊張がほぐれれば、言葉も自然に出てくる。
英語力は努力だけでなく、ポジティブな空気の中で育つものなんです。

英語を話せるようになるために必要なのは、才能ではなく「継続」と「勇気」。
少しずつでも話す習慣を作れば、いつの間にか“話せる自分”に出会えます。
今日、たった一言でもいい。“How are you?” と声に出してみる。
その一歩が、未来のあなたを変えていきます。

まとめ：「完璧な英語」より「伝えようとする英語」を

英語を話せるようになりたい——そう思ったとき、私が一番最初に手放したのは「完璧に話さなきゃ」という思い込みでした。
文法が間違ってもいい、単語が出てこなくてもいい。
大事なのは、相手に伝えようとすること。
このシンプルな原則が、私の英語力を大きく変えてくれました。

英語公用語の会社に飛び込んで5年。
怖くて話しかけられなかった頃から、今では海外カンファレンスで英語スピーチを任されるまでになりました。
それは特別な勉強法のおかげではなく、人と話し続けたことがすべてです。
Language exchangeで友達と笑いながら学び、
「Try it」と言われて知っている単語だけで話し、
アクセントを受け入れて、自分の英語を好きになった。
その積み重ねが、確かな自信につながりました。

英語を話すというのは、単なるスキルではなく、自分を表現すること。
そして、自分の殻を少しずつ破っていくことでもあります。
“伝えたい”という気持ちがある限り、あなたの英語はすでに始まっています。

もし今、「英語を話したいけど自信がない」と感じているなら、どうか一言でいいから口に出してみてください。
“Hello.” それだけで十分です。
そこから会話が生まれ、人とつながり、世界が広がります。

完璧な英語より、あなたの気持ちがこもった英語を。
その一歩を踏み出す勇気こそが、英語を“話せる”ようになる最初の鍵です。

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